1/11 2022年度 磁性材料研究会 開催案内

2022年度 磁性材料研究会 開催案内

主催:中性子産業利用推進協議会(IUSNA)
   総合科学研究機構(CROSS)中性子科学センター
共催:東北大学金属材料研究所中性子物質材料研究センター
   東北大学金属材料研究所先端放射光利用材料研究センター茨城県中性子利用研究会
協賛:J-PARC MLF 利用者懇談会

開催趣旨:
   中性子産業利用推進協議会では、磁性と中性子に関する「磁性材料研究会」を開催します。本研究会では、非弾性散乱及び
   磁気構造解析についてのご講演をいただき、議論を通じて本分野における理解を深めていくことを目的としています。
   基礎から最近の動向について包括的な観点からもお二方の先生にご講演をお願いすることにいたしました。


1. 開催日時:2023 年 1 月 11 日(水)13:30~16:00
2. 開催方式:<ZOOM によるリモート開催>

3. プログラム及び講演概要
   13:30~13:40 開催趣旨説明 「磁性材料研究会」主査 梅津理恵(東北大学

   13:40~14:40 中性子非弾性散乱 益田隆嗣(東京大学物性研)
   講演概要:物性物理学の究極の目標は、物質のありのままの姿を原子レベルのミクロな眼で見ることである。
静的な構造の観測については、電子顕微鏡やコヒーレント X 線回折の進歩により、ナノスケールの実空間観測が現実のものとなっている。一方運動状態については、物質を構成する原子の数があまりに多いため、実空間での運動をそのまま観測することは意味を持たない。古典力学では、数多くの質点からなる連成振動は、波数で特徴づけられる固有振動の足し合わせとして理解される。量子力学が支配するミクロな世界では、固有エネルギーと固有モードを持つ波数空間における粒子、すなわち準粒子の足し合わせで理解される。つまり、物質の運動のありのままの姿をミクロな眼で見ることは、準粒子構造を波数空間においてくまなく探査することに他ならない。原子や電子とともに、スピンが主要な役割を演じる量子物質の世界を見るためには、中性子ビームを光とし、その分光器を眼とする研究スタイルが有力である。私は J-PARC MLF 施設に設置された高エネルギーチョッパー分光器(HRC)と JRR-3に設置された冷中性子三軸分光器を主に用いて、量子物質の準粒子構造の研究を行っている。本講演では、これら非弾性散乱分光器を用いた研究例を紹介する。


   14:40~15:40 粉末磁気構造解析の現状 萩原雅人(JAEA)
   講演概要:磁性体の物性基礎研究おいては、磁気構造を決定することはその研究の第一歩になる。
一方材料研究においては、磁気構造はあまり重要視されていなかったが、近年のマルチフェロ等の複合相関を活用した材料にとっては性質を左右するファクターになる。多結晶試料における磁気構造解析においては既約表現や磁気空間群を用いたモデル構築により、数多くの磁性体の磁気構造が明らかにされてきた。解析に用いるソフトウェアについても進歩しており、かなり扱いやすくなっているが、一方で普通に結晶構造解析を行なうことができるレベルの学生・研究者においてもいまだに敷居が高いようにみえる。講演では角度分散型やTOF装置により測定されたプロファイルを用いた、いくつかのソフトウェアを利用した磁気構造解析例を紹介する。

   15:40-15:55 総合討論
   15:55-16:00 閉会挨拶

 

4. 参加費
   中性子産業利用推進協議会参加企業の方:無料
   中性子産業利用推進協議会以外の民間企業の方:2000 円(資料代)事前に納付いただきます
   大学、研究機関、学生の皆様:無料

5. 申込方法:以下の申込フォームからお申し込みください。
   磁性材料研究会お申込はこちら
   申込締切 2023 年1月 4 日(水)

6. アンケートのお願い:本研究会終了後にアンケートをお願いしています。ご協力をお願いいたします。
   磁性材料研究会 参加者アンケートはこちら


<問合せ先>
中性子産業利用推進協議会(略称:IUSNA)
〒319-1106 茨城県東海村白方 162-1 いばらき量子ビーム研究センター D201
TEL:029-352-3934 FAX:029-352-3935(火曜日と木曜日のみ勤務)
E-mail: info@j-neutron.com

2022年12月08日